介護施設運営・関連商品販売のインフィック(静岡市)は高齢者向けの新たな在宅見守りサービスを始める。従来のセンサーを使ったシステムを省電力の通信規格に対応させコストを低減。併せて弁当宅配サービスの安否確認と組み合わせ、ネットと対面の双方で見守りサービスの質を高める。年内に静岡県藤枝市で実証実験を始め、全国展開につなげる。

現在、高齢者の室内で運動量や室温、照度などを感知するセンサーを使って在宅時の様子を見守るサービスを提供している。新たに省電力で通信料が安価なLPWAという通信規格に対応できる端末を開発した。

LPWAはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」向け通信技術として通信各社が開発を進めている。普及すれば、ネット環境を持たない高齢者家庭にも簡単に設置できるようにする。

同社は藤枝市などと組み、市内でLPWAなど最新技術の実験場にする取り組みに参画。まずは市内約100軒の高齢世帯を対象に年内にも実証実験を始める。本サービスではセンサーは初期導入費1万4800円、月額980円は据え置く。一方、別途必要な通信費は契約会社によって異なるが、「従来月1500円程度がおよそ半分に抑えられる」(同社)とみる。

宅配弁当による対面見守りサービスとの組み合わせも始める。同社はシニアライフクリエイト(東京・港)がフランチャイズ(FC)展開する高齢者専門弁当「宅配クックワン・ツゥ・スリー」に加盟し宅配を手掛ける。実験では弁当を配達している高齢者宅にセンサーを置き、配達時に高齢者の状態を確認する。

今後は全国300店舗以上の「宅配クック」のオーナーにセンサーによる見守りサービスの導入を働きかける。デイサービスなど通所の介護施設を利用していない独居高齢者は対面による見守りの機会が少ない。センサーと弁当宅配を組み合わせれば、一人暮らしに不安のある高齢者や、離れて住む家族にもニーズがあるとみて全国展開を目指す。

「日本経済新聞電子版より抜粋」