最近は独立開業や副業(サイドビジネス)をする方が増えています。
動機はヒトそれぞれ。
今の仕事への不安、自由な時間が欲しい、体力の限界、金銭的不安、人間関係の悪化、退職して時間が出来た、昔からの夢など。
副業・独立を問わず、事業を行うためにはアイデアやノウハウが必要です。
そして準備を進めていくと経営者としての資質も問われます。
独立・副業と言っても色々な方法があります。
- 独自の技術・商品(サービス)を開発し提供する
- 他者のサービスを代わりに売る(営業代行)
- 他者が考えたサービスの権利を買って消費者に提供する(フランチャイズ)
大きく分けると、この3つです。
どのパターンでビジネスを行うか、また自身の能力によってもリスクは異なりますが、1>3>2の順でリスクは大きくなります。
1.独自の技術・商品(サービス)を開発し提供する
独自のサービスなので失敗リスクが圧倒的に高いのは言うまでもありませんが、成功したときのリターンが大きくなると考えることもできます。
しかし成功したときのリターンが大きくなるとは限りません。
それよりも運営途中に資金不足となり撤退せざるを得なくなる可能性が極めて高いです。
戦略的かつ革新的なサービス、さらに資金や気力等が十分ある必要があります。
また時代の流れや運によっても左右されてしまいます。
2.他者のサービスを代わりに売る(営業代行)
営業能力によって大きく変わります。
会社に所属している時とは異なり、個人で営業を行う際は信用がありませんので、営業力のみでの勝負となります。
もちろん商品力なども重要ですが、商品が良ければ売れるわけではないのも事実です。
3.他者が考えたサービスの権利を買って消費者に提供する(フランチャイズ)
最近流行っているフランチャイズでの独立開業・副業です。
以前のフランチャイズはイメージ悪かったですが、フランチャイズでの独立を検討する方が増え、最近はかなりクリーンになってきています。
残念ながら加盟金やロイヤリティが目当てと思われるような会社があるのも確かです。
フランチャイズのメリットは失敗事例を本部と共有できることです。
失敗していないという本部は信じられませんし、たとえ本当であったとしても必ず成功するビジネスは存在しないのでいつか失敗するときが来ます。
その時の対処方法を知っている本部の方が安心であり強みとなります。
またリスクを伝えない(聞いても話をそらす)本部は信用しない方が良いです。
事業や業態によってリスクは異なり、リスクのないビジネスはあり得ません。
実際に加盟した経験や他の加盟者や検討者との話から独立・副業するにあたって必要と思うことを挙げてみます。
- 気力・体力
- 資金
- 戦略・アイデア
- 人材
- 家族の同意
- 会社での実績
当たり前と思うこともあるかもしれませんが、あるかないかで成功の可否はかなり変わってきます。
ビジネスでは良く「人」「モノ」「金」と言われますが、これは間違いありません。
1.気力・体力について
自分で事業を行うというのは想像以上に疲れます。
それなりの覚悟をしていても挫折する方を多く見てきました。
責任が全て自分にかかってくるということも、今までに経験のないことなので精神的に負担がかかります。
2.資金について
事業を行う上では、多額の資金が必要になることがありますが、融資を使えば全てを用意する必要はありません。
日本政策金融公庫であれば属性に関係なく個人でも貸してくれます。
自己資金は投資額の3割用意しましょう。
投資額というのは開業費用だけでなく運転資金等も含めた総額で考えます。
また、生活費とは別で考えてください。
事業用の資金と生活費を混同してしまうと税務上も良くありません。
3.戦略・アイデアについて
知人や友人にプレゼンして意見を聞いてみてください。
自分だけで考えているときは「良いものだ」と思い込んでいることが多いので意外な落とし穴に気付けるかもしれません。
ただし独立や副業を考えていることは伏せて冗談交じりにアドバイスをもらう形を取るか、ビジネス感覚に長けていて信頼できる友人・知人に聞くと良いです。
独立や副業など事業性を匂わせると、たいていの人は内容に関係なく否定的な意見を言います。
4.人材について
最低限必要な人員計画を立て、最初は出来るだけ自分で行い、複数名必要な場合は信頼できる友人や知人、家族にしましょう。
特に立ち上げ時は人員に気を使っている余力は無いので、自己管理できる人が理想です。
5.家族の同意について
家族の同意は一番重要と言っても良いです。
家族が納得しないまま始めてしまって途中で挫折する方が多いためです。
成功すれば認めてくれるかもしれませんが、失敗したときのことを考えると恐ろしいです。
何かあって困ったときに助けてくれるのも家族です。
6.会社での実績について
社会人経験なしに独立した場合は関係ありませんが、「会社で結果が出せないから独立したい」、「転職先が見つからないから独立したい」、「給料が低いから独立したい」などの理由で独立や副業を検討している方は要注意です。
残念ながら高確率で失敗します。
自分でビジネスを行うのは会社員よりはるかに大変です。
しかも成功させるとなると能力が高くないとできません。
自由な時間が欲しいという方も多いですが、会社員時代より働かないと同じ所得にならないこともあります。
工夫次第で自由にできる時間は増やせると思いますが、それでも事業の全責任が自分にあるので、休日でも仕事のことは頭の片隅に置いておかなければなりません。
事業から離れている間は落ち着かないから長期休暇を取って旅行には行けないという方も多いです。
楽しいことも多いですが、大変なことも多いのが独立です。
サラリーマンとして勤めていたブラック企業の方が楽だったと感じる方も少なくありません。
まずは副業で始めて、独立という選択肢が自分に合っているかを見極めても良いかもしれません。
独立が向いていない方の特徴
少し厳しめですが、独立や事業を行うことが向いていない方の特徴です。
情報収集を行い過ぎ、期限を決めずに検討する方
「やる」「やらない」の決断ができない方は時間の無駄です。
「良い事業が見つからないから」という方もいるかもしれませんが、どのような事業なら良いのでしょうか。書き出してみてください。
できない方は向いていないのであきらめた方が良いです。
説明会やセミナーで的外れな質問をしたり、細かい質問が多い方
緊張をほぐすための雑談等の質問は問題ありませんが、本質的な質問以外は無意味です。
事業における重要な部分を理解できていない場合が多いので、もう一度考え直しましょう。
リスクばかり気にしている方
実は一番多く、やらない理由を探している方です。
独立を検討しているのにそんな人がいるわけがないと思うかもしれませんが、出来ないのは自分ではなく他人(検討中の事業)が原因であると理由をつけたいために「アラ捜し」をする方が非常に多いです。
単純に心配性で決断できないという方は許容できるリスクと許容できないリスクを書き出し、検討中の事業を分類してみてください。
約束が守れない方
約束したこと、時間や場所を守るのは当然ですが、どうしても守れない状況の時は必ず連絡しましょう。
当たり前のことが出来ない方が多く、残念ながらこのような方は事業に成功しないことが多いです。
一般社会でも約束が守れない方は信用されませんが、事業主(代表)となったときに約束を守れないことは取引先の信用を著しく失い、致命的となることもあります。