コメダホールディングス(HD)が北海道内で「コメダ珈琲店」の出店攻勢をかけている。2016年に札幌市内に1号店を出店、現在は5店舗を展開しているが、今後4年で約3倍の16店に増やす計画だ。同市内のロードサイドを中心に出店しているが、中心部の開拓も検討する。将来は道内全域に店舗網を広げる考えだ。
コメダ珈琲店は1968年、名古屋市に1号店を開店した。ナゴヤ流のモーニングサービスや温かみのある店づくりが特徴で、全国に店舗網を広げている。道内では16年8月の「東札幌5条店」を皮切りに5店を展開。17年12月中旬には江別市にも出店する。札幌市以外では初めての店舗となる。
コメダHDはフランチャイズチェーン(FC)形式での出店が主流で、道内でも1号店を除くと今のところすべてがFC店だ。運営主体は外食チェーンだけでなく、例えば江別市の店舗は事務用品販売業者が手掛けるなど、異業種からの参入も相次いでいる。今後もFC加盟店を広く募りながら、店舗網を拡大していく。
8月末時点の店舗数は、甘味喫茶店も含め全国で772店。年70~80店のペースで出店を続け、20年度に国内外で1000店体制を目指す。人口などを勘案すると、理論上は道内全域で40店ほどの出店余地があるとみており、成長を続ける上で重要な地域と位置づけている。有力な地場チェーンは見当たらないため「スターバックスコーヒー」や「ドトールコーヒーショップ」など大手チェーンが競合相手になる。
1店あたりの平均投資額は1億5000万円。顧客の注文状況は本州の店舗と大きな違いはなく、出店した店舗の売り上げはいずれも堅調で「フランチャイジーの評価も上々」(コメダHD担当者)という。札幌市内ではロードサイド以外に、JR札幌駅から大通地区にかけての商業ビルなどで出店場所を探している。
コメダHDの17年2月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前の期比11%増の240億円、純利益は9%増の45億円だった。
「日本経済新聞電子版より抜粋」