介護や子育て、流通といった人手不足が深刻な分野や中小企業で高齢者のマンパワーを活用しようと、首都圏の自治体が就職支援に乗り出している。従来、高齢者雇用は生きがい作りといった側面も強かったが、本格的な就労を仲介することで企業の人手不足解消につなげる。専門性や体力が劣る場合でも補助作業を担うことで、現場全体の労働負荷の軽減を目指す。

東京都文京区は10月から、元気なシニアに介護の担い手になってもらう「介護施設お助け隊」を始める。週1回程度、施設で入所者の食事を介助したり、館内を清掃したりする。60歳以上の15人が6月から研修を受けてきた。

お助け隊の人件費は区が補助するため、一定の時間内の場合は施設側の負担はゼロ。2017年度は区内の5施設が受け入れる予定で、18年度は10施設へと増やす。「介護現場の人手不足を解消するために、シニアの就労につなげたい」(同区)といい、将来は高齢者の直接雇用にも結び付けたい考えだ。

首都圏の有効求人倍率は高止まりが続く。特に、介護や流通関係は全職業平均に比べて高く、人材の奪い合いとなっている。7月の都内(パート常用)を例にとると、介護サービスは約9倍、商品販売も4倍近くに達している。年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられていることもあり、自治体も両者の仲介に力を入れ始めた。

千葉県船橋市はセブン―イレブン・ジャパンと連携した就労支援を始めている。おおむね65歳以上の人を「シニア従業員」としてフランチャイズ店に紹介して働いてもらう。これまで、43人の雇用実績がある。業務は弁当配達や店舗の清掃などで、1日1~2時間の短時間といった柔軟な働き方も提案する。市が説明会の会場を提供することで求職者も参加しやすくなる。

就職しようにも、何から始めたらよいか戸惑う高齢者も多い。東京都大田区は介護施設のほか保育所に的を絞り、就職支援を始めた。17年度は40人程度を募り、仕事のノウハウを学ぶ講座や体験実習のほか、採用面接まで一貫して手助けする。

採用の受け皿を増やし、一人ひとりの適性に合った仕事を紹介する自治体の取り組みも目立ってきた。埼玉県は4月、事務作業や営業の分野で、高齢者の派遣先を開拓する拠点「シルバー・ワークステーション」を開設した。都内で会社勤めをしていた「埼玉都民」が今後、続々と退職することが背景にある。

シルバー人材センターの会員をオフィスのほか、介護施設や保育所、スーパーなどに派遣。会社員として培ってきた技能を生かしてもらう。人材センターの専従職員が人手不足を懸念する企業を訪問し、4~6月で約330件の派遣先を新規開拓。千人以上が就職した。

横浜市は3月から、企業とシルバー人材センターが連携した支援事業を始めた。金沢区に拠点を置く中小企業中心の約80社の協同組合が窓口となり求人情報を集約。約1万1千人の会員が所属する人材センターに就職先を紹介する。

現時点で活用事例は10社ほどにとどまる。清掃や調理、事務作業の補助が中心で「30社程度から、必要があれば活用したいという声がある」(組合)という。繁忙期の短期雇用をはじめ、柔軟な運用も可能とPRし利用拡大を目指す。

「日本経済新聞 電子版より抜粋」

現在、経営における最大の課題となっているのが優良な人材確保です。
少子高齢化や働き方の多様化による人材不足が深刻になっていますが、それを打開する方法として考えられているのが、海外人材やシニア世代の活用です。

技術向上や就労意欲の強い海外人材は、飲食店やコンビニなどを始めとして様々なシーンで活躍しています。
同じように元気なシニア世代を労働力として活用する動きが増えてきています。
記事にもありますが、補助的な労働だけでなく蓄積してきた技能を生かせる労働まで幅広く活躍しています。

フランチャイズ経営でも、これらの人材をうまく活用できるかが、生き残れるかの分かれ目になる可能性もあります。