世界最大のファストフードチェーン店であるマクドナルドの経営方針が再び注目を集めています。
2015年にはFC店と直営店の比率が8:2でしたが、これを2017年度中に93:7にまでFC比率を引き上げる予定です。
マクドナルドのような企業が、FC展開を再び強力に推進する理由は明白です。
マクドナルドの強みは、「FC店を強くする商品・ノウハウ」だからです。
限られた社内の資源を、直営店を効率的に運営することに割くのではなく、フランチャイジーとその先にいる顧客を魅了し、繁栄することに割くほうが効率的という判断です。
マクドナルドの判断は、「直営店はあくまでショールーム機能(またはターミナル機能)とし、新しい店舗スタイル、新しい商品、新しいサービスの提供を先行で実施し顧客の反応を見る」ことに特化し、今後「直営店のビジネスの拡大」に経営資源を割くことを減らす、ということです。
結果「直営部門」は利益を上げることよりも、より実験的な取り組みを求められる「研究・開発」機能になっていく、という意味です。
立場が明確になり、そこに組織的重複が少なければ、部門間の衝突は少なくなり、経営者の組織活用に関する悩みも減ることになります。
マクドナルドは多くの国で、直営店の大規模な譲渡を行ってきました。
結果、直営店がほとんどない国、または全くない国が大多数です。
これは、マクドナルドの各国現地法人が、直営店運営のための経営資源をほとんど考慮することなく、より地域にあった商品の開発に経営資源を割くことができるようになったことを意味します。
FCの海外展開スキームは様々にありますが、マクドナルドのような「ブランド力にさらに磨きをかけて、直営店を持たない」という出店戦略企業は今後増えてくると思われます。